美容室経営の花形と思われていたのは、駅前など人通りの多いところにお店を構え、たくさんのお客さんをバリバリこなすこと、と僕自身も思っていましたし、美容師になった20年くらい前は実際にそんな世の中だったと感じています。
これが今人口減少やオーバーストアによって集客自体が難しくなり、固定費の大きい立地エリアの撤退が増えています。
なのでこれからは集客力がないとお店の経営を維持していくのは非常に難しくなる、、、
そのように思うお店が増えてきています。ですが実は本当の問題は集客ではなくて、継続して再来店していないことだったりすることがほとんどです。
これは穴の開いたバケツに水を注いでる状態ですね。これだといくら集客できてもお客さんも売上も増えないわけです。
- 最初から再来店しないお客さんが来ている
- 提供している情報がミスマッチ
- 再来店の対策をしていない
- 技術・接客的な要素
再来店しないのはこのような要因があり、それぞれ対策していくことも重要ですが
「誰に来てほしいの?」
をという、来てほしいお客さんを決めていないことが根底にあります。
逆に言うと、来てほしいお客さんを決めて集客していけば、これらの問題も自然と解消されていくということなんです。
美容室は席数とスタッフ数で一日の客数の上限が決まるので、限られた予約枠はお店のことを大切に想ってくれいる再来店のお客さんで埋めていくことが、美容室の本来の目的なはずです。
でも、新規集客数が増える安心感、来ないことの不安は絶大で、本来の目的に到達することがない安売り集客がいまだに多いのです。
安売り集客自体が悪いとわけではなくて、それは集客力のある立地で多くのスタッフで多数をこなす資源を持った経営の戦略にてきしたもので、小規模のお店には合わないんですよね。
一時的に客数を増やすことができますが、規模的に受けきれるないんです。
僕の経験上では10人のスタッフで12人や13人のお客さんを受け入れるのは、待合などのスペースがあればそんなに難しいことではないです。みんなで頑張ればできます。
でも、スタッフ3人で4人のお客さんを店内に受け入れるのは、どんなに頑張ってもほぼ無理です。絶対に不満を感じるお客さんが出ます。
席数1~5席くらいの規模の場合、数をこなす営業スタイル自体が難しいんです。
そして、単価の低いカットのみのお客さんは、来店周期も早く母数も多いので
土日なんかはずっとカットばかり
↓
疲れたわりに売上は少ない
↓
常連の方、単価の高い人が予約を取れず他店に
↓
客数が増えるのに売上が減っていく
↓
スピードをあげよう、もっと頑張ろうと努力や根性論になる
↓
クレーム発生、ついてこれないスタッフに罵声など、現場が荒れる
↓
給料も増えずブラック状態・離職
大げさかもしれませんが、こういった感じになっていくのもお客さんを決めていないことが要因なのは間違いありません。
だから訪問コンサルティングの時に僕が一番最初に必ず
「お客さんは誰ですか?」
をとことん掘り下げます。
性別、年齢、家族構成、仕事、趣味、年収、髪の悩み、利用頻度、利用メニューなどなど
とことんです。
「ほかの人が来なくなるのではないでしょうか?」
そんな声も多く起こるのですが、全然そんなことないですし、むしろそれくらい絞り込んで厳選しないと、お店のことを必要と探している人に届かないんです。
来てほしいお客さんが決まると伝えるメッセージも変わってきますし、お店のコンセプトも変わってくるかもしれません。
大事なのはお客さんに必要とされるために、お店を作りこんでいけるかどうかです。
新規集客だってターゲット次第で方法も変わります。全部つながってくることなのです。
だからターゲットを決めるのはとても重要。
とことん絞りこんで、厳選して決めていきましょう(^^♪
それではまた!
田中 佑介